イチャモン研究会は、「イチャモンは宝の山」「いちゃもんから学ぶ」ことをめざして研究しています。

教育や福祉、医療など様々な分野で、保護者や利用者から寄せられる苦情が変化しつつあると理解されています。教育分野では、これを「モンスターペアレント」と呼んで、切り捨ててしまうかのような言説もみられます。

当研究会は、このような苦情の中で無理難題と感じてしまうものを「イチャモン」と呼び、そこに新たな学校と保護者の建設的な営みの手がかりがあると考えて、その対応のあり方を様々な視点から研究しております。
メンバーも大阪大学の小野田正利を中心に、全国に広がっています。

当研究会の趣旨を簡潔に述べたものの1つとして、小野田正利インタビューも、併せて是非ご一読ください。

なお、この研究は独立行政法人 日本学術振興会の科学研究費として採択されています。

※この趣旨説明は暫定的なものです

実績

2013年 9月 28日

2013年9月28日(土曜)14時50分より、東京にて以下のような講演会が開催されました。。

  • タイトル:「保護者からの要望にどう応えるか―クレームのメカニズムと対応―」(東京)
  • 主催:発達支援協会
  • 場所:東京ファッションタウン(TFT)ビル東館9階
  • 担当:小林正幸(東京学芸大学)

関連情報

2019年 4月 3日

はじめに

ここに掲載させていただきましたものは、「新新新・学校保護者関係研究会」の委員として参加している「苦情・クレーム対応アドバイザー」の関根眞一が代表を務める社が10年ぶりに2刊目となる日本苦情白書Ⅱのご案内です。
研究会の代表小野田教授に許可を頂いて掲載させていただきました。

去る3月25日にメデュケーション㈱が発刊しました日本苦情白書Ⅱは、2009年の創刊時と同じ質問で回答を得て、比較ができることが最大のポイントです。
また、この10年苦情の変化もみてとれます。

質問は14問、2009年のアンケートは5,059名、今回は12,429名の回答分析です。

また、14問目は苦情を言う頻度を計りました。その結果全体では 0.1回増えていました。

教育を見ますと、大きな改善は成っていません。気づきながらも行動に結びつかない結果が目立ちます。
ご挨拶に続き、教育に関して解説書の中から抜粋したものを添付しておりますのでご覧ください。

日本苦情白書Ⅱの詳細

  • ISBN 978-4-9904725-2-8
  • 発売元 メデュケーション株式会社

お問い合わせ先

〒173-0016 東京都板橋区中板橋12-3-603
TEL:03-3579-6548 fax:03-6905-6433
https://claim-sos.ecgo.jp/

※ISBNを取得していますので、近在の書店からもご注文を頂けます。

※発売元へ直接ご注文の際は、注文書をお送りいたしますので返信を頂き発送になります。

日本苦情白書Ⅱ 発刊にあたってのご挨拶

当社は、2009年に日本で初の苦情分析集を発刊しました。それは、2007年度までに集計されたアンケートの分析でした。その後10年、2017年度までの分析を行い、ここに2019年度版として完成をみました。

今回の分析は、初回アンケート数5,059件に対し、約2.5倍の12,439件の分析です。

分析の中で「全体」という表現をしていますが、その件数はその総計ですから、17,498件となります。全体を示した理由は、同一人物が回答をしていないことから、総計の価値も有効であると考えたからです。

そして、今回一番大きな収穫は、比較対象の存在があったことで、全体と職域内での変化の詳細まで読みとることが出来ました。2009年対2019年版です。内容は、前回と同じ質問で、同じ職域、そして、性別と年代別を分析しています。

今回、分析を読み終えて一番驚いたことは、2009年に比較して、個人が苦情を言う機会は増えているのですが、受ける側はそれを感じていないことでした。

その実例、分析のQ1では、「近年、自分の職場で苦情が増えていると思いますか」の回答を、「思う」「思わない」「変わらない」「分からない」としています。その結果、2009年:2019年では、分析グラフのとおり増えていないことが明確に示されました。

これは、想定内です。メディアでは苦情を事件のように取り上げていますが、苦情は事件ではなく被害があるか否かなのです。また、それを相手に伝えるか否かが件数となります。百貨店時代、不景気なときは「苦情」は減るものだと気づいていましたから、今回の減少は妥当だと判断できます。

しかし、職域の中に「福祉」があり、ここだけは苦情が増加していますが、読者の皆様もメディアから得た情報で大変な境遇にある、そして、この10年でもっとも大きく変化していることはご理解していたことでしょう。

分析を読み解く中で、まだこの部分は脆弱であるということに気づくこともありました。また、苦情から職域を変えていけるのは、女性の力が大きいこともそこかしこに見られた現象です。これは女性の持つ強さと柔軟性の表れでしょう。しかし、女性特有の弱点も露呈しています。

対象職域は、「歯科」「病院」「金融」「企業」「流通」「教育」「行政」「福祉」となっています。

分析グラフからは、それぞれの職域の「性別」、「年代別」、「全体との比較」「前回との比較」そして、質問13個の回答を職域順位で読み取れます。

そして、質問14では、前回同様「苦情を言う頻度」を測定しました。それは、グラフでは「苦情発生率」でご覧いただけます。ここで変化がありました。頻度が、前回の4.63回から4.53回になっています。つまり、個人感覚では増えていることになります。

苦情を一番言う業界は、前回の「行政」から、前回、もっとも少なかった「金融」がトップになっています。原因は読者の推測にお任せしたいと思います。

今回新たに取り入れたグラフに、質問の回答の「性別割合比較」を示しました。分かり易い説明を加えると、質問の6では、「苦情で怒鳴られたとき、対応が変わりますか」があります。その回答の3番目に「怒鳴られて怯える」がありますが、そこでは、男性が33.6%に対し女性は66.4%と回答しています。女性は怒鳴られることに恐怖が先に立つようです。

政策にあたり、前回の重量感ある「日本苦情白書」から、今回は投影してご覧いただけるようUSBを使用して、企業内研修でも使えるものと致しました。

前回も書きましたが、自分の職域の実態を知ることは大切なことですが、受け身になった場合、相手の個人的な詳細が分かることは、対応の的を絞れることになり、苦情の対応処理を正確にする効果も生まれます。

どうか、ご覧いただき、分析を見て今後の苦情対応にお役立ていただけましたなら幸甚にございます。

【参考】アンケート項目及び掲載グラフ抜粋(PDFファイル)

(さらに…)

コラム等

2010年 5月 16日
ワークショップ中の小野田正利

 小野田正利先生は、保護者と学校との在り方を研究し「モンスターペアレント」という語が登場する前から「親のイチャモン」として問題提起していました。元気でユーモアたっぷりの講演会は大人気で、ここ数年、講演依頼は年間500を越えます。

「それだけ現場のニーズになっているんですね。最近はPTAからの依頼も多いんですよ。」とおっしゃいます。『悲鳴をあげる学校』 (旬報社)、『親はモンスターじゃない』(学事出版)など著書多数。

Q: 「モンスターペアレント」という言葉についてどう思われますか?
A: 教師からはモンスターに見えても子どもにとっては親です。「モンスターペアレント」なんて言っちゃいけないですね。モンスターとレッテルはると、向き合って共に解決しようとする姿勢がなくなります。この言葉が流行って、保護者は正当な要望にも躊躇するようになり、学校はモンスター対策という考え方を持つようになった。その弊害は大きいと思います。

カメラに笑いかける小野田正利

Q: 適切な対応の心構えを教えてください。
A: クレームの90%以上は善意なのです。激しい言い方から悪意と取ってしまうことで、双方がエスカレートすることも多いと感じています。高飛車に出ないことです。まずお茶を出しましょう。「そういう気持ちにしてしまい、申し訳ありません」と謝ること自体は悪いことではありません。「イチャモン」を額面通りに受け取るのではなく、その保護者が実際に求めていることを察知し、解決策を探る姿勢を持ちたいですね。また、メールや電話のやりとりはこじれやすいので、直接会うのが一番です。
  ただ、適切に対応してもこじれる場合もあります。早めに校内で情報を共有しましょう。保健所・警察・弁護士などの専門機関・専門家の助言を受けながら対応することも考えましょう。一人で抱え込まず、「子どものためにもっとみんなで考えていきましょう」ということから視線をそらさずに接していって欲しいと思います。